尿路結石の原因

 尿路とは、尿の通り道すべてのことで、尿道をはじめ、腎臓の出口から膀胱までも尿路と呼ぶことができます。
 尿路結石症とは、その部分における結石症の総称で、部位により、腎結石(腎杯結石、腎盂結石)、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼ばれます。

 尿路結石の原因は、体に不要になった物質が結晶化して大きくなることによります。
結石は、尿路感染、代謝異常、ホルモン、薬が原因となることもあります。たとえば、代謝が悪くなり、尿の排出がうまくいかなくなることにより結石が生じることがあります。体内の水分が足りず、尿の成分濃度が高くなると小さな結晶が生じます。
この結晶の排出がうまくいかないことが続くと、やがて結石となってしまうのです。
 しかし、体内に結石が生じるメカニズムは未だにはっきりとしたことは理解されておらず、原因も不明とされています。

 尿路結石の傷害罹患率は、5~10%といわれており、年々罹患者が増加している傾向にあります。

尿路結石の症状

 結石が小さい場合、腎臓にあっても症状を呈することは少なく、自覚することはほとんどありません。しかし、結石が尿管に落ちて詰まると激痛が生じます。激痛と共に、冷や汗や発熱、吐き気、血尿といった症状が生じます。特に激痛は、人によっては立っていることができなくなるほどひどいものです。

 結石が膀胱に定着すると、頻尿、残尿感等の膀胱炎様症状が生じます。また血尿も生じます。膀胱に存在する結石は、時間の経過と共に、自然に尿とともに排石されていきます。

結石が尿管で詰まると尿の排出機能が低下します。
水腎症を発症する危険も出てきますので注意が必要です。
水腎症を放置しておくと、腎機能低下をもたらします。

尿路結石と内視鏡手術

重度の尿路結石症の場合、内視鏡手術を行い、結石を除去します。尿路結石症の手術は、ほとんどの場合、開腹手術は行われません。

内視鏡手術は、以下の2つとなります。

・経尿道的尿管結石砕石術(TUL)
尿管の結石が適応です。
細い内視鏡(尿管鏡)を、尿道から膀胱、尿管に挿入します。
そこでカメラを通して見える結石を、ホロミウムレーザーを使用して破砕します。

・経皮的腎盂結石破砕術(PNL)
背中から腎臓に内視鏡を入れて、ホロミウムレーザーで結石を破砕します。
硬くて大きな腎結石に適用されます。

手術実績

2011年 2012年 2013年
経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 18件 19件 21件

尿路結石(内視鏡手術)の担当医

佐藤 広高医師