前立腺とは

 男性特有の器官で、下腹部の膀胱の下に位置しています。形は、逆三角形をしており、大きさは成人男性では、栗の実程になります。
前立腺の働きは、前立腺液の分泌です。また射精における収縮や尿の排泄等の役割を担っています。

前立腺の異常について

前立腺に関係する異常や疾患はおもに3つあります。
・前立腺炎・前立腺肥大・前立腺癌です。

 前立腺に関係する異常は、すぐに察知するようにしましょう。
頻尿や夜間の排尿、排尿の勢いの低下、残尿感等、下腹部に違和感を感じたら、すぐに病院で検査を受けてください。特に、前立腺癌は、これらの違和感から検査を受けて発見されることが多くあります。

前立腺肥大症について

 前立腺肥大症とは、文字通り、前立腺が肥大してくる疾患です。高齢男性に多く見られ、泌尿器科を受診する男性の多くは前立腺肥大です。

 初期症状としては、尿が出にくくなります。肥大した前立腺が、尿道を圧迫するため、尿が出にくくなるのです。
そのため、残尿感があり、頻尿や、夜間頻尿といった症状も認められるようになります。
ひどくなると、尿を我慢できずにもらしてしまう(尿失禁)こともあります。

 前立腺肥大症の診断ですが、自覚症状、尿流敬、エコー検査で行われます。

前立腺肥大症の予防と治療

 前立腺肥大症の明確な原因は未だ明らかになっていません。
しかし、日常生活において、この疾患を予防・緩和させることは可能です。

・軽い体操や散歩等の運動を取り入れましょう。
・アルコール摂取は控え、正常な排便を促す食生活を心掛けます。
・水分を良く摂ることも必要です。
・頻尿を恐れて、水分摂取を控えることは逆効果となります。
・尿意を催したら、我慢せずにすぐにトイレに行くようにしましょう。
・全身の血行を良くするための入浴は効果的です。
・長時間、座ったままの姿勢は前立腺に負担をかけますので、できる限りさけるような工夫をしましょう。

 前立腺肥大症の治療は、肥大の症状と程度を考慮して、治療方針が決定されます。
おもに薬物療法が選択されます。治療に用いる薬は、排尿を促すものと、前立腺の肥大を抑えるものの2種類が用いられます。

 しかし、いずれの薬も、症状の根治は不可能です。あくまで、対症療法であり、症状を抑え続けるためには、服用し続けなければなりません。根治させるには手術が必要となります。

 前立腺肥大症の手術には、多くの出血が生じたり、ED(勃起障害)が発症するリスクも伴います。担当医と良く相談されることをお勧めします。

前立腺肥大症治療の担当医

佐藤 広高医師